急性期治療
小児の片頭痛は成人とくらべると軽症のことが多く,鎮痛薬を処方する前に,まずは鎮痛薬の必要性の有無を検討.片頭痛の診断基準を満たしても,患児の負担が少なく,自然に改善するようであれば鎮痛薬は必要ない.鎮痛薬内服の目安として,日常生活に支障をきたすような1 時間以上継続する頭痛を反復し,本人や家族の不安が強い際などには適応となる.急性期治療薬を服用する際には,早期に十分量を使用するよう指導することが重要である.
- 第1選択薬
- 急性期治療の第1 選択薬はイブプロフェンであるが,アセトアミノフェンも有用であり,患児に合わせて使用する.両剤ともに安全性の面からも推奨される.イブプロフェンは5〜10 mg/kg,アセトアミノフェンは10〜15 mg/kg を投与する.6〜8 時間以上の間隔をあけて再投与も可能である.前兆があれば鎮痛薬を用意し,少しでも頭痛が来れば内服するよう指導する.小児の片頭痛は嘔吐を伴いやすく,内服しても嘔吐してしまう際にはアセトアミノフェンの坐薬も有効である.いずれの鎮痛薬も頭痛発症から時間が経過するほど鎮痛効果が発現されにくくなるため,頭痛発症から遅くとも20〜30 分以内には内服する.
- 第2選択薬
- トリプタン 経鼻薬など用いる。
- 予防治療
- 頭痛の誘因を避けるなどの非薬物療法にても改善に乏しく,日常生活に支障をきたす片頭痛が週に1〜2 回以上みられる際には予防投与の目安とする
- 予防薬
- ガイドラインによる推奨薬剤としてはアミトリプチリン,トピラマート,プロプラノロール,塩酸ロメリジンなどがある。
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